川端康成をはじめ、多くの文人に愛されてきた「つるや」。お菓子研究家・いがらしろみさんも鎌倉に住んで最初にはまったのがここのうなぎだそう。そのおいしさの秘密は「井戸水」にある。うなぎを仕入れたら、井戸水に放して1週間。余分な脂が落ち、身が締まったうなぎを、注文が入ってからさばき、焼き、蒸し、たれ焼きの一連の仕事をして供する。ていねいに仕上げられたうなぎは、ほどよく脂がのって香りよし、後味さっぱり。創業以来つけたしながら使っているというたれで焼き上げられたうなぎとごはんが詰まった鎌倉彫のお重は、これまた創業時から大切に使われているもの。鎌倉文士たちが、時折吹き込む海風を楽しんだという2階の座敷でうな重をいただけば、昔の鎌倉を感じることができる。